エディ追悼の tweet

2022年6月22日

 エディ・ヴァン・ヘイレンが死んで2週間経った。
 思いの外大きな反響だった。マイケル・ジャクソンまでとは云わないが、プリンスが昇天した時並みの騒ぎだったんじゃなかろうか。わたしもギター少年だったからエディの死を悼む気持ちは人後に落ちないつもりだ。それにしてもこれほど広範囲に渡ってエディが愛されていたと云うのは少し驚きだった。Van Halenはバンドとしてはもう終わっていたし。
 目に着いた追悼記事はほとんど読んだ。

 面白かったのはスティーヴ・ヴァイの記事
「彼と親しくなって気が付くのは、彼には優しい面もあるということ」と云う部分がいい。とても冷静で抑制的なコメントで信頼できる。僕のエディの印象もこんな感じだった。いい奴ではないが「優しい面もある」。だいたい「いい奴」にあんな音出せんし。

 ジーン・シモンズのも好きだった。

 当時すでにがんと闘病していることが報じられていたEVHに対し、シモンズはかける言葉が見つからなかったという。「サンセット通りでエディにばったり会ったんだ。彼が病気になってからのことで、何を言えばいいのか分からなかった。こちらからその話題には触れたくなかった。彼を掴んでハグして、気の毒なことだなって言うべきか?手を肩に置くべきか?」と迷ったことを明かしている。
 すると、EVHが自ら病気の話題を持ち出し、「いやー、がんになっちゃったよ。どうしようもないよな」と笑ったそうだ。この会話が交わされている間中、エディはタバコを吸うのをやめず、「ちょっと見てくれよ」と、口を開けて手術で一部が切除された舌を見せてきたとシモンズは語っている。
 「あいつはこう、肩をすくめてさ、“なあ、ホットドッグか何か食べない?”って歩き出したんだ。同情を期待するみたいなことはなかった」と彼は振り返り、「あいつは本当に人生を楽しんでいるようだったな」と語っている。

 俳優のビル・マーレイのFacebookも面白い。
 Van Halenの曲のリンクが貼り付けてあるだけ。それが『Little Guitars』と云う、ファンかギター引く奴しか知らんような短いインストゥルメンタルでね。ホントおもろいねこの人。

 マイケル・シェンカーのtweetは彼のエディに対する爽やかな思い入れが溢れた素敵なものだった。彼らは同い年なんだそうです。

「Kei」さんと云う方のブログ記事のインタビュー翻訳は力作で読み応えがありました。

「スタンダードなロックスターセットアップを持ってるのが気に入らなかっただけなんだ。真新しいレスポールとマーシャル。オレは本当にビブラートに夢中だったから、改造を始めたんだ。ギブソンタイプのサウンドが欲しいけど、ストラトのビブラートも必要だしね。だからストラトにハムバッキング・ピックアップを取り付けた。それはまあ何とかなったけど、フェンダーは安価な木材だから、満足行く音色は出なかった。それで、ギターのネックとボディをアッシュで作るCharvelを選んだ。でも改造ギターを作った本当の理由は、他の誰も持っていなかったギターを持ちたかったってことだ。オレはギターが自分自身の延長でありたいと思っているから、店で買った市販のギターが嫌いなんだ。あれじゃオレのやりたいことが出来ないしね。」

 約40分間話をした後、エディは私をバンドのトレーラーに連れて行き、ギターを渡してくれた。それは、私が見たどのアクションよりも著しく低い弦高と、ナットでより広いストリング間隔を持っていた。数週間後、私は彼にどうしてなのかを電話で尋ねた。
「ビブラートのセットアップを助けるためさ」
「調子が狂わないように設定するんだ。それを理解するのに長い時間がかかったよ、試行錯誤をくり返し、たくさんの良いギターを台無しにした。つまり、誰もオレにギターの作り方を教えてくれなかったからね。まあ、自分で考えてそうしたんだ。で、えーと、それは今クソッタレなほど絶好調さ。あと背面のスプリングの量も影響するよ。オレはビブラート用にフェンダーとは別のスプリングも買うんだ。少し緩めだけどそれが大きな違いを生むのさ。あと、リトルストリングリテイナーにも注意して。ストリングが巻き込まれてチューニングがずれるから。」

 この記事読んで改めて思います。エディが創り出したのは音楽というよりはサウンド、音その物だったんですね。「文体」みたいなものだ。なるほど、かつて散々練習して『eruption』弾けたような気になってましたが勘違いでした。指が動くだけではダメなんですな。(*「 Kei」さんごめんなさい。勝手に引用させて頂きました。問題あるようだったらメッセージ下さい。直ちに削除します)。

 最後にアメリカオハイオ州クリーブランド在住の一般女性のtweet
 この女性ゴリゴリの保守派のトランプ支持者である。このtweetも共和党のプロパガンダに違いない。それにしてもちょっと気が利いてる。何はともあれ、彼女もvan halen聴いてたんだろうなと、それは伝わってくる。そんな、みんなのvan halenだったのでしたと云うことで。
 ありがとうエディ。なんて云うかとても楽しかったです。安らかにお眠り下さい。

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Posted by aozame