1日5ページ

2022年6月22日

 集中力が続かなくてそのくらいずつしか読めない。
今やっとギャツビー氏が登場しました。面白いかって?まあね。なんてったってアメリカ文学のキンジトーですから。しかし英語は難しい。数分前に調べた単語を忘れてまた引いたりする。5ページ進むのに何十回も辞書引いて、それでもよく意味がわからない部分がちょこちょこある。最後まで読む頃には最初の方をすっかり忘れてしまってるような気がする(笑)

 『華麗なるギャッツビー』の映画なら高校生の頃テレビで観た。ロバート・レッドフォードが主演だった。ギャッツビーがプールで撃たれるシーン以外あんまり記憶にない。きっと好きじゃなかったんだろう。わたしはそこそこミーハーだから、フィッツジェラルドの権威になってしまった村上春樹が『The Scrap』と云う雑文集の中でこの映画を、「サム・シェパードで撮り直して欲しい」と云ってるのを昔読んで以来、そうそうレッドフォードじゃねぇ…、なんて思ったままだった。サム・シェパードって云う人はなんっつってもカッコいい人ですから。デニス・ホッパーのような狂気と反骨と知性を持ち合わせつつかつ二枚目。俳優でピューリツァー賞受賞作家で、と云うか劇作家で俳優で奥様は女優のジェシカ・ラングで。2017年7月27日、自宅で筋萎縮性側索硬化症により死亡だってさ…。そう云えば晩年は何だかもっさりした話し方をしてたな。そうか死んだのか…。筋萎縮性側索硬化症…。知らなかったな。RIP。

 1980年代のロバート・レッドフォードははっきり云ってただの二枚目俳優だった。でもね、その後の曲折を経て2021年の今、やはりギャツビーはロバート・レッドフォードで良かったのじゃないかと思えます。何年か前にレッドフォードの自称最後の主演作と云うのを観た。レッドフォードがそう宣言したのだった。云ってしまってから「そう云う作品」として必要以上にクローズアップされることになって後悔しておられた。レッドフォードはすっかり爺さんだった。作品は極く地味だった。そしてなかなか面白かった。あれを自分の俳優人生の締め括りにしようとする大スター、ロバート・レッドフォードと云うのはデニス・ホッパーやサム・シェパードと同じように狂気と反骨を併せ持ったアグレッシブで複雑な知性の持ち主だった。結果的に。長生きするってそう云うことだ。色々なことが明らかになってくる。例えばわたしなんか若い頃は常識的で人畜無害な普通のハンサム青年だったけれど、今や得体の知れない変なオジさんである。かつて共に校内喫煙の罪で停学の刑になったバンド仲間は、郊外の一軒家に住み、すっかり良いパパになって、高校のブラック校則も世の中の理不尽さを教えるためには必要だよなんてことを居酒屋で口走りだす。奴が着ている高価そうなジャージはわたしには寝巻きにしか見えない。
『The Great Gatsby』読み終えたなら映画もう一度観てみます。
 デカプリオ?観てないな。そいつの話はまた30年後に。

 宣伝:古書青鮫堂の在庫には、1964年〜1981年の平凡社月刊「太陽」のバックナンバーが約90冊あります。
 当時の月刊「太陽」は様々な特集記事の他にも映画評欄を若手作家の村上春樹、中上健次、橋本治、高橋三千綱等が担当してたりして読み応えあります。100冊近くあると、1冊1冊では伝わらない凄みと面白さがあります。わたしとしてはそこそこ大きな病院の図書コーナーやホテルのラウンジなんかにあれば楽しく時間が潰せるな、なんて思うのです。だからバラ売りはしておりません。1冊500円として90冊で45000円。興味ある方は連絡下さい。

古書青鮫堂 門倉 info@aozame.schoolbus.jp

未分類

Posted by aozame