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この海原を越えて

かつて無能と無資格が俺の専門だった。ゴキブリたちと友達になった中央線沿線の町の安アパートでパッとしない大学四年生だった時にたいした考えもなく、無能で無資格の身一つで強く優しく生きて死のうとそう決めたのだった。

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『1999年のサーフトリップ』の扉は2005年の冬辺りに撮られた、日産ダットサントラックのたぶん720型の写真である。

「720型」は1975年から1985年にかけて発売されたモデルだ。この720型は山口県の小さな町にある ...

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 今回のクールはドラマが面白い。
『スナックキズツキ』は傷ついた日替り主人公たちの悩み事が他愛なくて安心感がある。彼らの心を癒す方法が毎回トリッキーで笑える。原田知世が良い。
『和田家の男たち』は大石静先生の脚本に円熟 ...

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 児島玲子プロが駆出しのアングラーで番組を持っていた頃から釣り番組が無償に好きです。釣り自体はしないし、しようとも思わない。ただ海とか魚を見るのが好きです。海洋ドキュメンタリーなんかも観るには観ますが、特別貴重な映像なんかよりは、ただ ...

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 私は1972年1月9日に生まれた。
 連合赤軍が長野県の山奥で総括と自己批判に明け暮れていた丁度その頃だ。学生だった両親はまだ東京にいたから私の本籍だけは東京にある。父親の仕事の関係で仙台、山口と転々として1990年に高校を ...

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 作家のえのきどいちろうがラジオで「(もちろん100%そうじゃないの括弧付きで)高校生の頃までにジャズを聴かなかった人は死ぬまでジャズを聴かない」と言ってたのを聴いて、秋の夜長に自分がジャズが好きだったことを思い出した。
 言 ...

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 まあまあ有名な少女漫画家のヒモのようなことをしていた知合いがいた。体育会系で野球が上手い男だった。昔の軍人なんかが出てくる映画が好きな、マッチョでどちらかと言うと右翼的な思想の持ち主だった。その男が年上の漫画家に、たいして興味もなさ ...

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 五本指ソックスが発明されてからこっち、運動するとき以外ほぼ一年中ビーチサンダル履いてます。
 ビーサンでどこへでも出没します。何千円かするブランド物を履いていたこともあるにはありましたが、結局は上っ面のデザインと素材が多少違 ...

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 吉田健一という作家がいた。
 吉田健一がどういう人だったかというのは、知っている人は知っているし、知らない人は知らないだろう。当たり前だ。もっと言うと、知っている人はよ~く知っているだろうし、知らない人、興味のない人は一生そ ...

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 二十数年前、就職活動というやつをしなかったわたしが大学を卒業して初めてした仕事がガードマンだった。理由は手っ取り早く稼げて、しかも誰でも雇ってくれるから。わたしは背が高くて、意味もなく戦闘的な顔をしていた。言葉遣いも荒かった。東京で ...