夢の渋谷

2022年6月22日

夢に現れる渋谷駅は必ず急な坂の下にある。
実際の渋谷駅だって谷間にあるが、夢の渋谷は崖の下である。駅にたどり着くには、崖そのものの様な巨大な百貨店の屋上から下着売場を通って降りるか、崖を下ってほとんど直角に続く階段を使うしかない。
昨日は恐怖にかられながら崖の階段を降った。
途中で「ubereats」のバイクが何台か横を掠めて崖下へダイブして行った。彼らは落下中にパラシュートを開いて器用に着地してから配達を続けていた。きっと斜面で直角に点在する家にタピオカドリンクを届けている。
「タピオカはキャッサバという芋の一種から造ります。キャッサバはどこにでもあるって代物ではないです。キャッサバを供給している会社は日本に二つしかありません。わたしは昔その二つのうちの一つで働いていました」と創価学会のオジさんは云う。
バイクの後ろに女の子を乗せている輩もいる。
「すごいなぁ…」とわたしは思った。命がけやんけ。
階段が突然途切れた。
途切れた階段の向こうを覗き込むと
路地の先に家があり軒先には繋がれた熊がいる。
仕方ないので熊の繋がれた家を訪ねると女の子がいた。
彼女は「あら、わたしテコンドーしか教えないんだけど…」と云った。
「新宿駅に行きたいのですが」とわたしは云った。「小田急に乗って帰るんです」
「ふ~ん」とあっという間に金髪のショートカットになった女の子だった女が云った。
白いスーツに着替えた女が迷路の様でいて以外と簡単な道を新宿駅まで連れて行ってくれた。わたしとしてはそれは右なんじゃないかな、と思ったが彼女は
「いや、左よね。常識よね」と云った。

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Posted by aozame